2021.12.19 その他草屋根・森の駐車場
「人間万事塞翁が馬」又は「禍福は糾える縄の如し」
7月から痛めている肩(肩腱板断裂という厄介な怪我らしい)のせいで、ここ数年意識して手を出さなかった現場仕事に本当に手を出せなくなってしまいました。2月、3月に控えている草屋根のやや難しい仕事をどうしようか、と今から思案してます。
一方、お願いしてやってもらえる仕事は素直に助けてもらおうという気持ちになり、その分以前感じていたプレッシャーからは解放されてます。まあ、別のプレッシャーは受けるわけなのですが。
先日若い建築家と現場の近くの食堂でご飯を食べながらおしゃべりをしました。ごく最近お付き合いの始まった、本当に若い建築家なのですが、最初にあった時から「良い人柄だなあ」と感じて、以来滅多にしない関係者との飲み会に誘ったり、それと仕事のお手伝いをさせていただいたりして、勉強させていただいています。
彼も、彼のボス(これまた若い)と会っても感じることなのですが、仕事ができる人は「頭に血が昇る」ということがないのですね。いつも冷静。それと人の話をよく聴かれます。そうやってプロジェクトを完遂されていくのでしょうね。私のような商売人は「やってやるぜ」なんて頭に血を昇らせて、その勢いで仕事を完結させるのですが(それで前後不覚になったりして大火傷…)、彼らは(少なくとも表面的には)そういうことがないので、その明晰さも含めて、羨ましくなってしまいます。
とはいえないものをねだっても仕方ないわけで、目の前で起きていることをそのまま素直に受け容れて、前に進まないといけません。「頭に血が昇る」というのもまあ貴重な人間性かもしれませんし。(そんなわきゃないか)
となれば時には耐え難い肩の痛みにもきっと何か意味があるわけで、この先に待っている新しい展開に期待しつつ、養生しながら復活の準備をしています。
写真は高知市のY邸の写真です。
設計は天久和則(テンキュウカズノリ設計室/TENK)、写真は野村和慎さん(フォートイルカ)さんです。
面積に対して手間のかかった仕事でしたが、こうして完成写真を拝見すると、やはりひと手間、ふた手間かけてよかったな、と思います。
Y邸の他の写真はこちら
ところで「人間万事塞翁が馬」の「人間」ですが「にんげん」と「じんかん」の二つの読み方があるそうですね。つい最近知りました。